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What you love, set it free. If it does not come back to you, it was never yours. If it come back to you, it was always yours.


by la-paz-paz-paz
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怒ってくれる幸せ

まだ詳しいことは書けないが、某エッセイコンクールに
応募したエッセイが、最終選考に残っているとの連絡頂いた。
昨年は1200通、一昨年は1400通の応募があったとかいう結構
激戦なコンクールである。

オリジナルかどうか、とか、受賞の際は作品と本名を公開しても
良いか、とかマスコミの取材に応じられるか、とかそんなことを
聞かれた。

受賞したらプレスから取材を受けたり、授賞式があったり、
全国の幼稚園に顔写真つきで回ってしまったりする、
結構なかなか大変なコンクールみたいだ。

最終選考に残っているという時点で私の胸は高鳴りっぱなしで
あれやこれやと取らぬ狸の皮算用三昧だったわけだが、

これを聞いた母がなんと言ったと思う?

「なーんだ、出版しないの。たった800字?」

これを聞いた途端、私は燃え上がる心臓に冷や水をぶっかけられた
かのようなイヤ~な感覚に襲われた。

イヤ~な感覚である。
この母とつきあっていて、何度となくこのイヤ~な感覚に襲われたことがある。
以前、映画監督の人たちが私に話を聞きにきてくれたことが
あったが、そのときも両親が私にこう言った。

「なんだ、話聞きにきただけ?たいしたことないな。」

このときにもこの冷水をぶっかけられたような気分を味わい
「言わなきゃ良かった!言わなきゃ良かった!」と
何度も何度も悔いたのだった。

一橋大学大学院を辞めてから、両親の反応は
何についても常にこういう感じである。

もはや学校や会社という後ろ盾がない私は、
両親にとっては何をやっても「なーんだ」な存在でしか
なくなってしまったようだ。

逆に言えば、学校や会社という名前でしか人の成果を
判断できない、アホな両親である。

昨晩はとにかくがっくりで、もう受賞しようとすまいと
どうでもいい気分になっていたのだが、

これを聞いた夫が、激怒である。

「なんでそんな大事な話をばばぁに話すんだ!!!!」
夫にあるまじき激ギレである。

「moviさんにとって大事なことをばばぁに話したって
いいことがないって、これだけ思い知らされてて、
今更何やってんだ!!!!!!」

ばばぁ…笑
(夫がこういう言葉遣いすることは滅多にない)

朝になってまだウジウジしていた私を、
もう夫は慰めてはくれなかった。

「いい年して、親の承認求めんなってことだ。
もう分かっただろう。」

と冷たく突き放された。

この夫の激ギレと突き放しに、
なぜかじーんときてしまったのはなぜだろう?

私が親から受けた苦しみと向き合い、
ともに戦ってくれたのは、誰でもない、この夫である。

明日は結婚記念日、
6年間、夫は私の心に寄り添い続けてくれた。

「俺が認めるんじゃダメなのか!お母さんに認められなきゃ
おまえは満足いかないのか!」

数年前、ウツを患った私に夫はそう叫んだなあ。

ごめんね。

ありがとう。
by la-paz-paz-paz | 2011-11-22 15:04 | 試練