人気ブログランキング | 話題のタグを見る

What you love, set it free. If it does not come back to you, it was never yours. If it come back to you, it was always yours.


by la-paz-paz-paz
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

成功体験を重ねる

ここ一週間ほど、娘とウズウズした話し合いが続いていた。

ピアノのコンクールの選曲のほうを先生がしてくださり、その曲を聞いて開口一番、「やりたくない…!」「コンクール絶対出たくない!」と言い出したのである。スタートから一年たってない割には習得の早かった娘であるが、コンクールのレベルになると、また一段難しい曲が選ばれる。先生が弾くのを聞いて、ギョッとしたらしい。

さらに、娘の通うピアノ教室では去年、そのコンクールで三人が全国大会まで残り、そのうち二人が受賞している。その子たちのピアノをDVDで見せられて、「自分はこんなの絶対できない!」と言い出した。確かにその二人は音大に行ってもおかしくないレベルというか、小さいうちでもこれだけ「違う」ものかと驚かされる実力である。

娘は基本的に前向きな性格である。発表会に出ることもちっとも嫌がらず、「やってみようか」といわれたことは、あまり食わず嫌いせずにやるタイプ。ところが、コンクールだけは涙を流して嫌がるではないか。「絶対いやだ」「間違えたら恥ずかしい」と。

私はここで、「自主性を重んじる」か、それとも「とにかくやらせてみる」か、大変に悩んだ。

娘とさんざ話し合ったが、娘は「絶対無理」の一点張りで、人の話を聞こうとしない。

ピアノの先生は、「ピアノが嫌いになってしまったら元も子もないので、ダメそうだったら絶対無理しないでください」とおっしゃられていた。「ただ、出場したら大きな自信にはなりますよ」とのこと。

ここで私は娘に言った。「私、やらないうちから『出来ない』っていうの嫌いだな…」と。手をつけないうちから「出来ない」と放り投げてしまうことはして欲しくない、とにかく練習をしてみて、あまりにダメそうだったら潔く止めよう、と娘に言ってみた。「ダメそうだったら、本当に止めさせてくれる?」と娘が聞くので、「約束する」と言ったところ、「じゃあ練習だけはやってみる」と言ってくれた。

今日のレッスンでも娘はまだふくれっ面をしていて、「コンクールやっぱりヤダ…」と先生に文句を言っていた。先生は、娘のためにコンクールの曲をセクションごとに譜面にしてくださっていて、これは大変に助かった。全体を見るとぎょっとしてしまう譜面も、セクションにすると意外と単純に見え、これを組み合わせればゴールなのかと思えば何とかなる気がしたようだった。娘は「意外とできそうかも…」と気持ちが軽くなったようで、帰る頃にはグズグズ言わなくなった。

私ははなから予選通過して欲しいとか、受賞して欲しいとか全然考えていない。(本当はそれじゃダメなんだけど…笑) 楽しんでやって欲しいとか奇麗事も言いたくない。コンクールのための練習は、とてもじゃないけど楽しめるようなものではないと思っている。発表会と違って、プレッシャーが違う。昨年のコンクールでは、最後親御さんたちも感極まって泣き出したらしい。親にとっても鍛錬である。

ただ、「自分でもコンクールに出場できた」という成功体験は、5歳の娘にはすごく大きいはずだ。

私は育ってくる過程で、「成功体験」が得られなかった。

有名な中学に合格し、有名な大学に入学し、有名な大学院に入学した。その三箇所でしか、親に褒めてもらえなかった。だから、いい学校に入ること以外に、どうやって自分で自分を褒めてあげれば良いのか分からなかった。大学院に長くいたことは、私の「学歴依存」をますます悪化させたように思う。学校の名前がなければ自分自身が認めてあげられない、だから、学校から離れられない、それで博士課程までダラダラと残った。もっと恐れから自由でいたら、私は修士でやめて就職していたはずだ。それが怖くて出来なかった。

小さな「成功体験」を積み重ねる。人生、それがどんなに大切か。
途中で止めてもいい。とにかくやってみた。がんばった。その気持ちを味わって欲しい。

怖がるな娘よ。
いろんなことにチャレンジする人生であれ。

私もまだまだ、チャレンジしていくよ!
by la-paz-paz-paz | 2011-12-10 16:42 | 子育ち